女子にも分かる自衛隊

意外と知らない自衛隊ファッション~プラスアルファ編


迷彩服用、制服用……帽子にもたくさんの種類が


前回の
>>制服に迷彩服、特殊な専用服……意外と知らない自衛隊ファッション
では、自衛官が着る「服」をご紹介しました。
今日は、それらの服の上に着ける「プラスアルファ」ファッションのお話です。

まずは頭から。陸上自衛隊の場合、帽子には「制帽」、「戦闘帽」、「ライナー」、「鉄帽」といったものがあります。
基本的に、制服を着ているときには「制帽」をかぶります。迷彩服のときは、迷彩柄の「戦闘帽」。
ですが、制服・迷彩服を着ていても「略帽」「識別帽」というものをかぶることもあります。「略帽」は、緑色のベレー帽。「識別帽」は、部隊を識別するキャップ型の帽子。識別帽には部隊のマークが付けられていて、色もさまざまです。

ヘルメットも、用途に合わせて使い分け!

そして、「ライナー」と「鉄帽」。これはヘルメットです。ライナーはプラスチック製で、鉄帽は鉄製です。
鉄帽は、迷彩柄の布で覆われていて(布で覆われていない旧型のものもあります)、頭をしっかりと守る必要がある活動で着用します。安全面から「射撃のときは必ず鉄帽をかぶること」といった決まりもあります。
そしてライナーは、「鉄帽でなくても良い訓練や作業」でかぶります。鉄帽はとても重いので、「プラスチック製でも安全性が確保されるとき」にライナーを使うことが多いです。災害派遣でも、ライナーで活動している場面をよく見ます。

また自衛隊の車には、天井や壁が幌で覆われているだけのものが多いのですが、万が一事故が起きたときのために、そのような車に乗る場合も必ずライナーか鉄帽のどちらかをかぶります。
ライナーと鉄棒は、ほぼ迷彩服のときにしか着用しないのですが、幌の車に乗るときは制服でも制帽ではなくライナーをかぶります。

階級によって制帽のデザインが違います

……と、ここで制帽のトリビア。
陸上自衛隊の制帽は制服に合わせた緑色で、金色のマークや装飾が付いています。この装飾が、階級によって少し違うんです。
制帽に付いている桜のマークは、すべての階級で同じです。
しかし、男性の制帽には伸び縮みするベルトがついていて、伸ばせばあご紐として使えるようになっているんですが、このベルトの色が曹・士は緑、尉・佐・将は金色です。

さらに、佐・将の制帽には、つばの部分に金色の葉の刺繍が入っています。この葉も、佐より将の方が多く、この佐・将の刺繍は女性の制帽も同じです。

海上自衛隊、航空自衛隊にも、略帽のデザインや階級による制帽の装飾などに少し違いがありますが、同様に数種類の帽子があります。
イベントなどで制服姿の自衛官を見かけたら、ぜひ階級章と制帽を見比べてみてください!

太いベルトはおしゃれのためではなく、「付ける」ため

さて次は、体に付けるファッション。
自衛官は、腰に太いベルトのようなものを巻いていることがあります。これは「弾帯(だんたい)」という名前です。

自衛隊の訓練・活動ではいろいろなものを使います。しかし、訓練・活動では両手を自由にしておかなければならないので、この弾帯に付けたり、弾帯に付けた袋に入れて持ち歩きます。

例えば、弾倉(だんそう)。これは、銃の弾を入れるためのものです。そして銃剣(じゅうけん)。これは、銃に付けるナイフです。水筒も弾倉に付けます。

弾帯は主に迷彩服を着ているときに使いますが、式典などでは、国旗を持つ役割の隊員が制服で弾帯を付けていることも。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。

銃弾から身を守る「防弾チョッキ」、特殊兵器から身を守る「化学防護衣」

体につけるファッションでは、「防弾チョッキ」もあります。隊員の間では「アーマー」と呼ばれています。
防弾チョッキには銃弾などから身を守るために特殊なプレートが入っていて、とっても重いです。広報センターや広報イベントで試着体験できることがありますので、チャンスがあればぜひ着てみてください。
「これを着て走ったりするのか……そりゃ鍛えなきゃ無理だよな……」と、自衛官がなぜがんばってトレーニングをしているのか、身を持って知ることができると思います。

広報センターや広報イベントでは「化学防護衣」「防護マスク」が展示されていることもあります。防弾チョッキと違って着脱に時間がかかるため、試着までできることはあまりないようなのですが……。
化学防護衣、防護マスクは、生物化学兵器などに対応するための服で、戦闘服の上から着ます。詳しくは
>>自衛隊のお仕事 ~陸上自衛隊「化学科」「輸送科」編~
の「化学科」でお話しましたので、こちらをご覧ください。

キング・オブ・自衛隊ファッションはこれ!


画像引用『陸上自衛隊第2師団 旭川冬まつり協力』より

最後にひとつ、ぜひ女子のみなさんに知っておいて頂きたいのが「外套」。
外套は制服の上に着るコートなんですが、これがとってもかっこいいんです!クリーニングの手間などもあり、「ほとんど着ない」「よほど寒かったら着るかなぁ」という自衛官も多いのですが、私は個人的に「自衛隊でいちばんかっこいいファッションは外套だ!」と思っています。
ぜひ多くの方にこのかっこ良さを実感して頂きたいので、冬に制服姿の自衛官と会うことがあったら、「外套着て!」とお願いしてみてください!

画像引用:陸上自衛隊HP海上自衛隊HP航空自衛隊HP
岡田真理のほじくりコラム(毎週金曜更新) >> こちら

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2017-11-02 | 女子にも分かる自衛隊

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