女子にも分かる自衛隊

制服に迷彩服、特殊な専用服……意外と知らない自衛隊ファッション


迷彩服にも陸・海・空で違いがあります


「自衛官が来ている服」というと、みなさんはどんなものを思い浮かべるでしょうか?テレビなどでいちばん知られているのは、緑色を基調とした迷彩服かなと思います。
でも、これは「自衛隊の」というより「陸上自衛隊の」迷彩服。実は海上自衛隊には青を基調とした迷彩服、航空自衛隊にはグレーを基調とした迷彩服があるんです。

迷彩服は、主に体を動かす作業をするときに着用します。射撃など火薬を使う訓練も多いので、迷彩服には防火性に優れた特殊な布が使われています。

ジブチ共和国への派遣隊員には専用の服も

緑の陸上自衛隊、青の海上自衛隊、グレーの航空自衛隊、の迷彩服。実は、もうひとつ特殊な迷彩服があります。海外派遣で使われている迷彩服です。
こちらは現在、ジブチ共和国に派遣されている陸上自衛官が着用しています。黄土色を基調とした迷彩服で、暑い気候でも対応できるように生地は薄く、またマラリアなどの病気に配慮して防虫性能もあるそうです。

ジブチ共和国には海上自衛官も派遣されているのですが、海上自衛官は迷彩服ではなく、黄土色一色の作業服を着ています。

まだまだある!艦艇勤務の作業服、パイロットの飛行服

また、海上自衛隊には青の作業服、紫(濃い紫)の作業服もあります。これは主に艦艇勤務の隊員が着用するものです。青は階級が曹士の隊員、紫は幹部の隊員です。

航空自衛隊にも、迷彩服ではない作業服のようなものを着ている隊員がいます。航空機のパイロットやクルーが着用する「飛行服」と呼ばれるものです。

飛行服は濃い緑色で、耐火性など安全性も考慮されています。左脚の太もも部分にはクリップのようなものがついていて、フライト中に航空路図などを挟める作りになっています。

制服は、緑の陸、黒の海、青の空。そして海の夏服は……?

……と、ここまで迷彩服や作業服といった、「体を動かす作業をするときのファッション」をご紹介しました。
続いては「制服」。こちらは事務的なお仕事をするときや、正式な場(私たちがスーツを着るような場)で着用します。
制服も、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊それぞれにあります。陸上自衛隊は緑、海上自衛隊は黒、航空自衛隊は青です。

夏服もあって、陸上自衛隊はクリーム色のようなシャツ、航空自衛隊は薄い青いシャツを着ます。海上自衛隊の場合は、全身白!全身真っ白の制服はとてもかっこいいんですが、海上自衛隊では毎週金曜日にカレーを食べるので、少しおっちょこちょいな人はカレーをこぼさないように気を遣っているそうです。

「礼服」そして「マタニティー制服」も!

また、制服には「礼装」と呼ばれるフォーマルなものもあります。こちらは特別な式典などでしか着用しないのであまり見ることはないのですが、駐屯地や基地の記念行事で着用している人がいるので、ぜひ探してみてください。

そして、さらにレアな制服といえば「妊婦服」と呼ばれている、マタニティー制服。妊娠中の女性自衛官用の制服で、お腹まわりがゆったりとしたジャンパースカートタイプです。女性自衛官は数が少ない上に、さらに妊娠中の方となると、なかなか見ることはありません。もし見つけられたらかなりラッキーですね。

音楽隊の演奏服装。特別儀仗服はこの春ニューデザインに!


制服にもお仕事によって特殊なものがあります。一番有名なのは「演奏服装」と呼ばれる、音楽隊の制服。陸上自衛隊は緑、海上自衛隊は黒(白)、航空自衛隊は青と、それぞれの制服の色を基調としていますが、ステージでも目を引くような鮮やかなデザインです。
音楽隊は自衛隊のイベントで見る機会も多いと思いますので、ぜひ演奏だけでなく隊員が来ている服にも注目してみてください。

(左から)旧夏服、旧冬服、特別儀仗演奏服の新夏服、新冬服、特別儀仗服の新冬服(引用元:産経フォト

そして「特殊な制服」といえば、「特別儀仗服」と呼ばれるものも要チェックです。こちらは、この春から新しいデザインになりました。
自衛隊には「特別儀仗隊」という部隊があります。これはどういう部隊かというと、国賓をお迎えするときに儀礼を行う部隊。陸上自衛隊の「第302保安警務中隊」、「中央音楽隊」の隊員で編成されます。
その特別儀仗隊が着る服が、特別儀仗服。以前は陸上自衛隊の制服の緑、そして白を基調としたものだったのですが、この春から紺色と白、そして赤いラインが入ったとても鮮やかなデザインになりました。
国賓を迎えるニュースでは特別儀仗隊が映ることがあるので、ぜひチェックしてみてください。また11月に行われる「自衛隊音楽まつり」にも登場すると思いますので、チケットをゲットできた方は武道館で、チケットをお持ちでない方はネット配信などでぜひご覧ください。

自衛隊の学校に通う、生徒・学生にも制服があります

最近新しくなった制服といえば、「高等工科学校」の制服もあります。高等工科学校とは、ざっくりいうと「陸上自衛隊付属高校」のようなもの。中学校を卒業した人が入学し、高校の普通科、工業科のようなお勉強をしながら防衛の専門教育を受けます。
こちらの制服は、以前は陸上自衛隊の制服とほぼ同じで、陸上自衛隊の場合はネクタイが緑、高等工科学校(当時の学校名は「少年工科学校」)はネクタイが赤、という違いだけだったのですが、現在は陸上自衛隊とはまったく別の、赤いラインが入った詰襟の制服です。

自衛隊の学校には「防衛大学校」「防衛医科大学校」もあります。
毎年3月に行われる防衛大学校の卒業式は、テレビで見たことがある方も多いのではないでしょうか。卒業式の最後に帽子を高々と投げるシーン……見たことありますよね?
防衛大学校の制服も詰襟なのですが、特徴は着丈の短い、いわゆる「短ラン」。短ランというと、20~30年くらい前は「不良」なイメージでしたが、防衛大学校の学生が着る短ランはびしっとしていてとてもかっこいいですよ。

彼との結婚が決まったら……儀礼服をお願いしましょう!

そして、婚活中のみなさんにぜひ覚えておいていただきたいのが、「儀礼服」。
儀礼服は、結婚式で新郎の自衛官が着用します。もちろん、必ず着用しなければならないような決まりはありませんので、新郎新婦の好みで着るか着ないかは選べるのですが、とてもかっこよくてゲストに喜ばれること間違いナシです。

自衛官との結婚が決まったら、式場選びよりもなによりもまず、彼に「お色直しで儀礼服着て!」とお願いしてみてください。とはいえ、彼から「あんな派手なの着たくない」と断られるかもしれませんが……。
儀礼服は本当にゲストの目を引くので、「みんな新郎ばかり見ていて、誰も新婦の私を見てくれなかった!がんばってドレス選んだのに!」なんて話もよく聞きます。ですので、もし彼に「儀礼服を着たくない」と断られたら、「じゃあ私が目立てる!」とポジティブに受け取りましょう!

画像引用:陸上自衛隊HP海上自衛隊HP航空自衛隊HP
岡田真理のほじくりコラム(毎週金曜更新) >> こちら

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2017-10-19 | 女子にも分かる自衛隊

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