苦しく危険な仕事を選ぶ自衛官の思い
任務や訓練には、苦しく危険なものも
昨年は台風などの大きな災害が多発し、自衛隊が多数の災害派遣活動を行いました。そして今年もまだ2カ月が過ぎたところですが、遭難者の捜索、豚コレラの対応、新型コロナウイルスの対応などで災害派遣活動が行われています。
このような自衛隊の任務の中には、苦しいものや危険をともなうものもあります。そしてその任務を行うための訓練にもまた、苦しいもの、危険をともなうものがあります。自衛官との婚活を希望されている皆さんも、テレビなどで何度かそういったシーンを見たことがあるのではないでしょうか。
あえて苦しく危険な道を選ぶ
任務や訓練の苦しさ・危険さは職種や職域などにもよるのですが、自衛官はあえて自らその道を選んでいます。
今回は、なぜ自衛官はそのような苦しくて危険なお仕事を自らの意思で行っているのか、そしてそんなご主人の思いを奥様はどう受け止めれば良いのか、を皆さんと一緒に考えたいと思います。
その道を選ぶ理由は、人の役に立ちたいから
「なぜ、あなたはわざわざ苦しくて危険なお仕事を選んでいるの?」
今回は、この質問をレンジャーや救難といったような、自衛隊の中でも「苦しい」「危険」という言葉が合いそうなお仕事をしている自衛官にぶつけてみました。そして、返答をまとめると次のようなものでした。
―最初は憧れの気持ちから志願したように思う。特別な訓練を受ければ「こいつはこの訓練を終えている」と信頼してもらえるし、その信頼から災害派遣やその他の任務で自分を使ってもらうことができる。そうすれば人の役に立つことができる。結局のところ、人の役に立ちたくて今の仕事を選んだんだと思う。そもそも自衛官を志願したのも「人の役に立ちたいから」だった―
辛さは自衛官本人だけでなくご家族も
「苦しくて危険だけど、人の役に立ちたいからこの仕事がしたい」。とても素晴らしいことなのですが、大変なのはご両親や奥様、ご家族です。もちろん、苦しくて危険な任務や訓練に赴くご本人が一番大変なのですが、ご主人を送り出す奥様・ご家族にも「待つ身の辛さ」があります。どんな場所でどんなことをしているのか……自衛隊のお仕事には公にできないことが多々あるので、「知れば安心できること」も知ることができなかったりします。
理解したい、理解し難い、さまざまな葛藤
こういった背景から、入隊時にご両親から反対された経験を持つ自衛官は決して少なくありません。その後、ご両親が本人の強い意志を理解し応援するようになっても、心配がなくなるわけではありません。
奥様たちも、「人の役に立ちたい」という気持ちは理解できても、やはり任務や訓練の度に「なんでそこまでやらなければならないのか」と苦しい気持ちになることは多々あります。
前述の自衛官は、「家族には理解し難いかもしれないけど、できれば同じ感覚を持って欲しい」と話していました。
「そういうものだ」と受け入れる
自衛官の彼と結婚すると、職種・職域にもよりますが多かれ少なかれ「心配」はつきものです。その心配を完全に無くすことは不可能ではないかと、私個人的には思います。ですので、「心配をしてしまうのは当然のことなのだ」とその気持ちを受け入れて、できる範囲でご主人の気持ちを理解しようとするしかないのかな、と思います。
任務によっては、自衛隊がご家族をサポートする体制も整っていますので、ぜひ上手に活用してくださいね。
理解への姿勢で安心感を
今回は、苦しく危険な仕事を選ぶ自衛官の思いと、奥様の受け止め方のお話でした。
自衛官との婚活では、お付き合いが深まるにつれ、お互いの将来を考えることが増えていくかと思います。少し特殊な自衛官というお仕事ですが、こういった面でも彼を理解することで、もし理解はできなくても理解しようとする姿勢を持つことで、皆さんも彼も安心して将来に進めるのではないでしょうか。
今回は少々シビアなお話になってしまいましたが、お互いの将来のために、また現在のお二人のコミュニケーションのために、機会をみて彼の気持ちを聞いてみてもいいかもしれませんね。