女子にも分かる自衛隊

たくさんの自衛官と出会う究極の方法?!~予備自衛官補への志願


自衛官と結婚する人が多い、女性予備自衛官

「自衛隊のお仕事」シリーズの途中ですが、今日は違うお話を。
今、ちょうど「年に一度のチャンス」の時期なので、ぜひお知らせをしたいことがあります。
前回の
>>>自衛隊のお仕事 ~陸上自衛隊「会計科」「武器科」編~
で、予備自衛官の手当てのことを少しお話しましたが、この「予備自衛官」という身分。

実は、女性の予備自衛官は自衛官を旦那さんに持つ人をよく見かけます。自衛隊には女性が6%弱しかいないので、予備自衛官に限らず、女性自衛官も自衛官と結婚する人が多いです。
もちろん、自衛官じゃない人と結婚している人もいますが。そして、私のような独身組も(笑)

今回は、「自衛官と婚活を考えているなら、予備自衛官になるのもひとつの方法かも?」ということで、「予備自衛官になる方法」をご紹介します。

有事や災害では、人手不足になってしまうこともある自衛隊


そもそも「予備自衛官」とはなんなのか。
有事や災害など、「日本が大変だ」ということが起こったら、たくさんの自衛官が必要になります。ですが、この「自衛官」は22~23万人しかいません。

例えば、東日本大震災では最大で10万人の自衛官が災害派遣に出動しました。自衛官の数は22~23万人なので、一見「10万人の派遣」というのは難しいことではないように感じるかもしれません。しかし、現場に行くのは10万人でも、その事務的な手続きをする人、派遣される隊員をサポートする人なども必要です。

また、自衛官も人間なので、数カ月間現場で活動しっぱなしというわけにも行きません。体力がちゃんと回復しなければ被災者を助けることはできませんし、自衛官自身の身が危険になってしまいます。ですので、交代の人も必要です。

そして、東日本大震災では東北で大きな被害が発生しましたが、このようなときには連動して他の地域でも大きな地震が発生する懸念があります。そのため、他の地域にも「万が一」に備えた人員を残しておかねばならず、「出動できる人」の全員が東北に行ってしまうのも危険です。

さらに、大きな災害が起こったからといって、国防のお仕事の手を抜くことはできません。残念なことですが、災害で日本中が大変なことになっているのに、領空侵犯(航空機が、日本の領空へ不法に侵入すること)は発生します。領空侵犯機へは、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進をして、「領空に入っちゃダメですよ」と追い返さなければなりません。海でも、海上自衛隊が常に国防のための警戒を続けています。

……と、「災害派遣に出動するのは10万人」でも、実際にはもっとたくさんの自衛官が必要になります。22~23万人の自衛官では「人が足りない」ということになってしまうんです。

人手不足は「臨時の自衛官」で補います

「有事や災害のときに、22~23万人の自衛官では足りなくなってしまう」という現状。

だったら、「もっと自衛官の数を増やせばいい」のですが、そうするとたくさんの人件費がかかります。多くの防衛予算が必要となり、そのために増税しなければならない……なんて事態も考えられます。
そこで、解決策として自衛隊は「臨時の自衛官」を採用しています。

郵便局でも、年賀状で忙しくなる年末年始だけ、アルバイトなどの「臨時の職員」を雇用したりしますよね。みなさんの会社でも、忙しい時期だけ、忙しい時間帯だけ、などのときにアルバイトやパートを雇用することがあると思います。
自衛隊にも、災害や有事などの「忙しいときにだけ」自衛官として働く、「臨時の自衛官」がいるんです。
これが、「予備自衛官」です。

予備自衛官は、普段は会社員や主婦、学生といった「フツーの人」として生活を送っているのですが、日本が大変なことになれば招集され、「臨時の自衛官」として自衛隊で働きます。
予備自衛官というのは、こういう人たちです。

予備自衛官になるには、まず「予備自衛官補」として訓練を受ける


普段は「フツーの人」として生活をしている、予備自衛官。

万が一のときに、自衛隊に呼ばれてもちゃんとお仕事ができるように、予備自衛官は年に5~20日間、普段のお仕事を休んで、自衛隊で訓練を受けています。この、訓練のために自衛隊に呼ばれることを「訓練招集」といいます。

では、予備自衛官になるにはどうすればいいのか。

以前は、予備自衛官は「自衛隊を退職した元自衛官」が任官していました。しかし約15年前に制度が変わり、「元自衛官」でなくても予備自衛官になれるようになりました。

とはいえ、元自衛官でもないのに急に「臨時の自衛官になって、災害派遣に行く」というのはやはり無理があります。そこで、元自衛官でない人は、予備自衛官になる前に一定期間の訓練を受けます。この予備自衛官になる前の身分が「予備自衛官“補”」です。

ということで、元自衛官でない人が予備自衛官になるには、まず「予備自衛官補」というものに採用されなければなりません。
ここまでをまとめると、
予備自衛官補に採用
→一定期間の訓練を受ける
→予備自衛官に任官
→予備自衛官として毎年訓練を受ける
→なにかあったら招集されて、自衛官としてお仕事をする
です。

「一般」なら50日間、「技能」なら10日間の訓練


予備自衛官補には、2つのタイプがあります。それは「一般」と「技能」です。
「一般」の場合は、日本国籍の18歳~33歳であれば、誰でも志願できます。

そして「技能」は、該当する資格を持っている人だけが志願でき、年齢は最高で54歳までOKです。
どんな資格だと志願できるのかなど、詳しくは予備自衛官補募集の案内を見てみてくださいね。

「一般」か「技能」のどちらで志願するのかを選んだら、採用試験を受けます。そして合格、採用されれば、晴れて「予備自衛官補」となります。

その後は、「一般」の場合は50日間の訓練を、「技能」の場合は10日間の訓練を受け、訓練が修了した後に「予備自衛官」となります。

予備自衛官補の訓練は、5日間をワンセットとして行われます。「一般」なら5日間を10回、「技能」なら2回、です。

今年のチャンスは、4月7日まで!


予備自衛官補の訓練も、予備自衛官の訓練も、指導をするのは自衛官です。ので、予備自衛官補、予備自衛官はたくさんの自衛官と出会います。
そこで、訓練で知り合った自衛官と結婚……というパターンも生まれるわけです。

予備自衛官補の募集は、年に2回、春と秋に行われます。……が、春だけで採用人数が埋まってしまい、秋の募集はなくなることがほとんどです。実質、春が年に1回のチャンスとなっています。

今年の春の募集受け付けは、4月7日(金)まで。
もし興味があったら、お早目に問い合わせてくださいね!
問い合わせ先も予備自衛官補募集の案内をご覧ください!

そして、「予備自衛官補ってどんな訓練をするのかな?」と疑問に思ったら、ぜひ拙著「いざ志願!おひとりさま自衛隊」(文春文庫)も参考にしてみてくださいね。

「婚活」を動機とした予備自衛官補の志願は、アリ?ナシ?

と、ここまで「婚活の手段としての予備自衛官補志願」についてお話しました。
が、ひょっとしたら、「予備自衛官補に志願する動機が婚活」ということに、眉をひそめる方もいらっしゃるかもしれません。

「日本を守りたい」「自衛隊に貢献したい」という動機で、予備自衛官補に志願する人はもちろんたくさんいますし、それはとても素晴らしいことです。

でも一方、「自衛隊が好きだから」「体力が付きそうだから」という動機で志願する人もいます。予備自衛官ではなく、自衛官になりたいと入隊試験を受ける人も、「公務員だから」なんてきっかけの人も少なくありません。

崇高な使命感を持ち、志願するのはとても素晴らしいことです。でも、肝心なのは、「どんなきっかけであれ、実際に自衛官や予備自衛官になったときに、与えられた任務をちゃんとやれるかどうか」なのではないでしょうか。

でも、訓練は「婚活」に不向きかも?


平成29年度 予備自衛官オリジナルカレンダー

ですので、予備自衛官補志願のきっかけが「自衛官との婚活」であっても構わないと、私は思います。

もちろん、訓練を真剣にやらずに色目ばかり……となると、それは考えモノですが……。というか、そんなヒマはないと思いますが。訓練、結構辛いですから。
でも、本気で自衛隊に貢献したい、そのための知識や技能を身に着けたいと必死に頑張っていると、辛い訓練も楽しくなってきますよ。

ただ、訓練中は忙しくてメイクなんかするヒマもなく、すっぴんでたくさんの男性自衛官と接することも多々ありますし、ヘルメットで髪形はぐちゃぐちゃにもなります。日焼けもします。汗や泥にまみれて、「きれいな姿でいる」なんて望めないことばかりです。いつも身ぎれいに過ごしている人は、最初にこの「男性の前なのに、身ぎれいにできない」ことにストレスを感じるかもしれません。

でも、身なりに構わず真剣に訓練に打ち込む姿は、男性も女性もとても素敵です。
こういう姿を見せ合うことで、愛が育まれたりするのかもしれないな~、と個人的に感じています。

画像引用:陸上自衛隊・予備自衛官制度
岡田真理のほじくりコラム(毎週金曜更新) >> こちら

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2017-03-22 | 女子にも分かる自衛隊

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