自衛隊妻の近況報告⑩まちかど人生相談
こんにちは、SACHIです。涼しく過ごしやすい季節になりましたね~。まだまだ暑さが続くと思っていつまでも半袖で寝ていたら寝冷えしました。秋は進んでいたようです。気持ちも体も追いつけてないですね。
出掛けやすくなったので買い物には徒歩で出てみたり、友達のところに遊びに行ってみたりと外出の機会を増やしているこの頃、面白い出会いがあったので今回はその話をしようかと思います。
9月に入ったばかりの頃、結婚して一軒家に引っ越した友人のところに他の友達数人と遊びに行くことになりました。
駅のホームで電車を待っていたところ、後ろから「こんにちは、可愛いね~♪」と娘に声をかけてくれた方がいたので「あ、ありがとうございます」と後ろを振り返ると・・・
なんと!長身マッチョの黒人男性だったのです!
あまりにも流暢な日本語だったので声じゃ外国人だとは分かりませんでした。
「こんにちは~、あ、僕○○といいます。セネガルから来ました」と自己紹介してくれたのですが、ちょっとお名前は忘れてしまったのでここでは仮に”セネガルさん”としたいと思います。
行き先が同じ方面だと言うので一緒に電車に乗り込み、なんとなく世間話をしていると「今日はね、引越しなんです」とセネガルさんが話を始めました。
そういえば・・・言葉と見た目のギャップで気づいていませんでしたが、体の前後にパンパンのリュックを背負って、さらにボストンバッグまで持っています。
私「そうなんですか。お仕事変わったりとかですか?」を聞くと
セ「それもあるんですけどね、実は離婚したんです。セネガルはイスラム教徒が多くて僕もそうなんだけど、彼女は仏教徒だったんです。家でも自然と宗教の話題になってしまうんだけど、そうすると宗教の違いからぎくしゃくしてしまって・・・。彼女の事は本当に好きだから離婚はしたくなかったけれど、このままの状態を続けることがお互いの幸せだとも思えないから、やむなしに別れることにしたんです」
と要約するとそんな事を仰っていました。
セ「それで一緒に住めなくなってしまったから新しく家を借りて、今は一人でいると辛いからシェアハウスに住むことにしたんですよ。□□には友達も近くにいるし、しばらくはそこで頑張ります」
そんな話をした頃セネガルさんの降りる駅に着いて、たくさんの荷物を担いで降りていきました。
「彼女の事は本当に好きなんだ」と何度も繰り返していたセネガルさん・・・
それほど好きなのに別れる決断をしたセネガルさん・・・
切ない話だな、というかなんだか大変な話を聞いてしまったなぁ・・・なんて考えていたら
ん?そうだよね、かなり大変な、がっつりプライベートな話聞いたよね!?あれ?なんで駅でたまたま会った私にこんな込み入った話したんだろう!??
理由が見つけられずなんとも言えない複雑な気持ちになってしまいました。
友達が言うには「とりあえず誰でもいいから辛い心の内を聞いて欲しかったんだよ」とのこと。
実際どうだったのかはセネガルさんにしか分からない事ですが、もしそうならいいけどなぁと時どきこの話を思い出しては新天地で頑張っているだろう彼を陰ながら応援するこの頃です。
話は変わりまして、私は通販でよく買い物をします。
で、大手a通販を使っていると分かると思うんですが、配達してくれる会社って選べないんですよね。
私は猫の宅急便が好きなので、a通販の荷物は必ず猫の営業所さん止めにして自分で受け取りに行っています。
ある日、いつものように荷物の受け取りに行くと普段いる女性のスタッフさんがおらず、しばらく待っているとドライバーのおじさん(ここでは仮に大和さんとします)が来たので受け取りの旨を伝えると「あ、はいはい!すみませんねお待たせして」と荷物を探しがてら「可愛いねぇ、何歳かな?」と娘に声をかけてくれました。
大「うちにも娘と息子がいるけど、もう大きいから」という話になったので
私「娘さんと息子さんはおいくつなんですか?」と聞くと大学生と高校生だとのこと。
高校生の息子=反抗期というイメージがあったので
私「息子さんはやんちゃな頃ですか?」と聞いてみると
大「んー・・・うちはあんまりそういうのないみたいで、嫁さんと息子ふたりでも買い物とか行って、ちゃっかり服ねだったりしてるらしいですよ」とのこと。
なんと!!!
友達か彼氏彼女のことで頭がいっぱいになるのが高校生というもの。そんな頃になっても子供とデートできるなんてうらやましい!
私「じゃあ、娘さんもお父さんに対してキツくあたったりとか、汚いって言い出したりとかもなかったんですか!?」
気になるのでぐいぐい聞いちゃいます。笑
大「そうですねぇ、なかったな。今も食事くらいなら一緒に行ったりしますよ」
私「え!!?・・・うらやましい親子関係ですね。どうしたらそういう良い関係が築けるんですか?」
さすがにこれは質問が漠然としすぎかな、と思ったんですが、大和さんはずばり答えをお持ちでした。
大「それはね、嫁さんが私のことをバカにしないことですよ。子供の前で夫婦喧嘩しないのはもちろんですけど、子供に父親のことを愚痴ったりとかバカにするようなこと言ってると子供も父親を見下すようになっちゃうんですよ。うちなんか子供が寝てる時間に仕事から帰ってきて起きる前にまた出て行くような生活でしたから子供と顔合わす機会も少なくて、でも嫁さんが”お父さんは私達の為に働いているんだ”って子供達に言って聞かせてくれたんですね。だから今こんな風なんだって思うんですよ。あぁ、あと父親のものだけ洗濯物分けるとかね、あんなんも絶対だめですよ」
私「奥様・・・素晴らしい方ですね。この子が大きくなってもデートできる関係が築けるように、私も今日から真似します!」
大「子供の前”は”ですよ。嫁さんだって友達とじゃ何言ってっかわかんないですよ。笑」
いやいや、まさか猫の宅急便で子育て術を聞けるなんて・・・
目からウロコのこの話を一語一句聞き逃すまいとひたすら頷きながら話を聞きました。
そうこうしているうちに荷物の引渡しとかをしてくれる女性のスタッフさんが戻ってきてセミナーは終了したんですが、もう最後は深々と「貴重なお話をありがとうございました!」と頭を下げましたよ。
でも本当にこの話、自衛官の嫁をやっている私に当てはまりまくりで非常に勉強になったんです。
街で出会う人と話をする機会って滅多にないと思いますが、話してみると面白いんですね。
もっと色んな人と関わってみたいなと思わせてくれる出来事でした。