最近の自衛隊結婚事情 〜自衛官の結婚の慣例やルール〜
自衛隊員との結婚が決まったら、いよいよ結婚式です。これまで、自衛隊員とお付き合いしてきた方は、普通の方とは違った結婚に関するルールや慣例に直面するかもしれません。そこで今回は、自衛隊員との結婚にまつわる色々なルールや慣例をご紹介していきます。
自衛隊員との結婚式は必須!?
自衛隊員との結婚を決めた方のなかには、結婚式なんてやりたくない、派手な結婚式は嫌だという方も少なくありません。最近は、地味婚や披露宴無し婚が結婚式事情の主流となっています。自衛隊員との結婚も他ではありません。そういう選択肢を取りたい方も増えています。
なかには職場の繋がりが強固で、上下関係が厳しい自衛隊社会なので、特に幹部自衛官の方は、出世にも響くので慣習に従う人もいます。ネットでも、幹部自衛官は、結婚式は挙げないと上官に睨まれる、結婚式をあげないと出世できないというような噂がありますが(現在のコロナ渦においては、同じ職場の方の参加は基本的には推奨されていませんので、家族だけで挙げるかやらない人がほとんどになります)、
このような噂は本当なのでしょうか?
実はこれは、必ずしもではありません。過去には、こういう慣習があったのは事実なのですが、最近ではあまり気にすることはないとも言われています。最近は階級などにかかわらず、個人の自由意志で結婚式を挙げる方が増えているので、それほど気にすることはありません。結婚式や披露宴は全くしないで入籍のみという方もいるので、地味婚や身内だけの結婚式などというようなスタイルでも特に支障ありません。
なかにはこれまでの慣習に従って、職場の方に大々的にお披露目をされる方もいますので、千差万別。個人の好みのスタイルでやって大丈夫です。ただし、それぞれの職場によって独自の暗黙のルールがある場合もあるので、同僚や先輩に相談するのがベストです。
親に反対されたらどうしよう!?
結婚に先立ち、通過儀礼として両親との顔合わせや挨拶があります。まずは両親の承諾を得ないといけません。その時に自衛隊員との結婚でよくある悩みは、両親に自衛隊という職業をよく理解してもらえず、結婚を反対されてしまうということです。次のような理由で反対されてしまいます。
一つ目は、給与が安いからということです。自衛隊の仕事は、肉体的にはハードで、精神的にも過酷な任務を伴います。なのに、一般国家公務員と同じ扱いなので、仕事に見合わない給与ではないかと思われてしまいます。これを理由に結婚に反対されることも多いです。定年も一般の公務員より早いので、生涯で受け取れる給与が少ないと見込まれます。ですが実際には、一般国家公務員と同程度の生涯給与が受け取れるようになっているので心配はいらないのです。公務員というと、どうしても安月給という固定観念があるのですが、不況に強いというメリットもあるので両親への説得材料となります。
二つ目は、転勤が多く、親元を離れてしまうということです。遠いところへ子供が嫁入りするのは、親としてはどうしても承諾できない、寂しいと感じるようです。一人娘なら尚更です。できるだけ近い場所にいて欲しいというご両親にとっては、転勤が多く、どこに転勤になるかもわからないという自衛隊員の条件は不安となります。
三つ目は、危険を伴う過酷な勤務だということです。怪我をしたり、体を壊したりしたら、たちまち職を失ってしまうのではないかという失業の不安もあります。このような条件は、結婚相手としてはあまり良いとは思えません。
このように、親世代の方のなかには、自衛隊に強い固定観念をもっている人がいるので、反対されることも多いです。ですが、顔合わせの彼の対応やあなたの説明で理解してもらうことはできるはずです。まずはじっくり話し合いましょう。
職場への結婚報告はいつすべき?
自衛隊員は、上長や同僚など、職場への根回しは慎重に行わないといけません。上下関係が厳しい職場なので、噂が先走って上長の耳に入ってしまうと、上司の気に障ってしまうかもしれないので、決まったらまずは上長に報告しましょう。同僚や後輩にもそのタイミングで報告しておけば職場への根回しは万全です。
時期としては最低2〜3ヶ月前であるべきですが、半年ぐらい前が理想的です。
手続きなどもあるので、とりあえず決まったら早い段階でするのがいいでしょう。
結婚指輪の選び方
自衛隊員も結婚指輪は必要となってきます。任務によっては、指輪を外す必要があるかもしれませんし、任務中に損傷を受ける可能性もあります。ですので一般の方よりは気を遣って選んだほうがいいです。次のようなことを気をつけておきましょう。
一つ目は、シンプルで凹凸のない、光沢がないものがいいです。そもそも自衛官は結婚指輪ができるの?というのも疑問です。基本的には、アクセサリーは禁止されているのですが、結婚指輪は許可されています。ですが、シンプルで業務の支障にならないものであること、そしてあまり凹凸があるものはぶつけて壊れやすいです。細かい作業をすることもあるので、機材や工具に指輪がひっかかり壊れてしまうことがあるからです。指に怪我をしたりする危険もあるのでできるだけシンプルなデザインのものであるのがいいです。そして光沢があるものは、きらきら光って業務の支障になります。
二つ目は、耐久性があり、強度があるものを選ぶことです。ぶつけたり、ひっかけたりすることも多いので、少しぐらいの衝撃では壊れない頑丈なものがいいです。素材選びもお店で相談してみましょう。
三つ目は、修理やメンテナンスなどを行っているお店で購入することです。指輪を修理したりメンテナンスしないといけないことも多いので、お店選びの際は、この点も確認しておきたいです。
結婚式の招待者は?
自衛隊員は、上下関係が厳しくて、人間関係に気を遣うという話をよく聞きます。ですので、これから出世が期待されている方は、結婚式の招待客選びや席順にも慎重にならないといけません。最近はそういったしがらみや慣習も薄れつつあるものの、一部の職場ではやはりこうゆう習慣が残っています。気になる方は、やはりそれに従っておいたほうがいいです。
結婚式の招待客も、そういったことを意識して、広い範囲の関係者を抜かりなく検討します。職場の上長や先輩、防大時代の先輩や後輩、現部隊の隊長や幹部の先輩、過去の隊長や幹部の先輩、同期やお世話になった上官など、幅広い招待客をリストアップしましょう。優先順位の高い方のスケジュールをまずは押さえないといけないので、どうしてもお呼びしたい方は最初に日程を確認するようにしましょう。
結婚式の余興の噂はほんと?
ネットで、自衛隊員の結婚式の余興はひどいという噂を聞いたことがあるかもしれません。実際にYouTubeなどでも流れているものがあるので、それを観て、これって本当に今もあるの?!と疑われているかもしれません。
では実際にはどうなのかというと、そういう人たちもいる、というのも事実です。スポーツ部活などでもよくあるように、そのグループの風習的なものかもしれません。こういった特有の文化が気にならない人は一緒に楽しんでしまえばいいですし、恥ずかしいという方は、事前にNGを出しておくこともできます。あまりにも下品なものや、招待客に不快感を与えるようなものはやめてね、と彼にこっそり伝えてもらいましょう。
このような習慣がかつてはあったのですが、現在はクラスターを避けるため、定年退官パーティー、送別会等、2年前のコロナ禍以降、ほとんど実施されていません。
新婚旅行は行ける?
結婚での楽しみといえばやはり新婚旅行です。そこで心配になってくるのが、自衛隊員が新婚旅行に行けるのかということです。連続休暇は取れるのか、海外旅行には行けるのか、という疑問が浮かんできます。
自衛隊員のルールとして、特別休暇というものがあります。特別休暇は結婚式か入籍日から1ヶ月以内に連続して5日間の取得できます。ですので、この特別休暇制度を利用して、新婚旅行に行くことができます。土日や祝日、連休等とうまく組み合わせれば、長い休暇が取れるので海外旅行も不可能ではありません。
ただし、自衛隊員が海外へ行くには特別な申請が必要となります。これは海外渡航申請というものです。海外渡航申請は、海外へ行く隊員の安全を確保し、行動を確認するためのものです。所属部隊の即応対が必要なときにも役立ちます。もし海外へ新婚旅行に行く場合は、この手続きも事前に行わないといけません。もしこれを知らずに海外へ行ってしまうと、処罰の対象となるので必ず行いましょう。渡航先地域及び宿泊先詳細(宿泊先名・住所・電話番号など)、移動手段、同行者情報、現地での行動予定などの情報が必要となります。最初に新婚旅行のプランを立ててから申請しないといけません。また海外では許可されていない国や地域もあるので、行き先を決める前にこれも確認しましょう。
そしてもう一つ大切なのは、働いている職場でのスケジュール調整です。年間で決まっている任務もあり、教育や演習などは連続して受けないといけないので、決まったらまずは上長に日程調整の相談しましょう。
まとめ
このように自衛隊員との結婚にはいろいろ気をつけないといけないことがあります。これを聞くと自衛隊員との結婚は大変だ、決まり事やルールが多くて面倒そうと思われてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。十分な準備期間があれば余裕をもってすることができます。他の職業の方と比べるとリードタイムが必要になるので、早めの根回しが必要になってきます。それぞれの職場によって特有のルールがあることもあるので、職場の先輩のご夫婦などに相談してみるのもおすすめです。