女子にも分かる自衛隊

パラシュートで舞い降りる!空挺部隊とは?!


空挺降下を見るならコレ!

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2016年ももうすぐ終わり。
年が明けて、新年を迎えると「仕事始め」や「学校始め」などいろんな「○○始め」があります。
「初詣」や「初夢」、「初笑い」なんて「初○○」もありますね。

消防では「出初式」が行われていますが、自衛隊にも「訓練始め」という言葉があったりします。
部隊によっては、一年の安全を願い、新年最初の訓練を盛大に行います。

中には、一般公開イベントとして行う「訓練始め」もあり、最も有名なのが、陸上自衛隊第1空挺団の「降下訓練始め」。
2017年の「降下訓練始め」は1月8日(日)に行われるのですが、今回はこのイベントに先立ち、「空挺とは?」「降下とは?」をご紹介したいと思います!

空中から真っ先に行く!「空挺」とは?

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「空挺」という言葉は、「空中挺進」の略語として使われるようになったそうです。
「挺進」も日常ではなかなか聞かない言葉ですが、「三省堂大辞林」には、
大勢の中から一人だけ先に立って進むこと。
と書かれています。
ので、「空挺」は「空中から真っ先に行くぞ~!」的な言葉なんですね。

陸上自衛隊には、「第1空挺団」という部隊があります。
第一空挺団は、千葉県の「習志野駐屯地」に置かれています。

余談ですが、「習志野駐屯地」なので「習志野市」にあると思いきや、駐屯地の住所は「船橋市」です。
品川駅が品川区じゃなくて港区にあったり、目黒駅が目黒区じゃなくて品川区にあったり、東京ディズニーランドが東京都じゃなくて千葉県にあったりするようなもの……と考えれば良いかと思います。

さらに余談ですが、「習志野」という地名は、旧日本軍に由来しているそうです。
現在、習志野駐屯地の周辺には住宅地が広がっていますが、この一帯はその昔、なにもない野っ原でした。
そこに旧日本軍が騎兵部隊(馬に乗る部隊)を置いていたんですが、その騎兵部隊の訓練を見学されていた明治天皇が、ひとりの立派な軍人さんをとても称えられたそうです。
その軍人さんは、「篠原さん」という方でした。
そこで、明治天皇が「篠原に習え」と言われたそうで、
篠原に習え→習え、篠原→習篠原→習志野原
と、一帯の野っ原が「習志野原」と呼ばれるようになり、「習志野」という地名が生まれたそうです。

パラシュートを使って目的地へ。

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習志野駐屯地HPより)

さて、そんな「習志野」には、今は騎兵部隊ではなく「空挺部隊」があります。
「空中から真っ先に行くぞ~!」な部隊ですね。

で、実際にこの「空挺部隊」はなにをする部隊かというと、「パラシュートで目的地へ入る」です。
自衛隊の部隊が、ある目的地へ行くときは
○歩く(走る)
○車に乗る
○船に乗る
○ボートに乗る
○飛行機に乗る
○ヘリコプターに乗る
といった手段を使います。
「車が通れない場所だから徒歩で行こう」とか、「車が入れる場所だから乗って行こう」とか、「島には徒歩でも車でも行けないから船で行こう」とか、「大きな船が近づける地形ではないからボートで行こう」とか、「早く行くために飛行機に乗ろう」とか、「飛行機で行きたいけど滑走路がないからヘリコプターにしよう」とか、その時々の状況によって、手段が選ばれます。

「パラシュートで目的地へ入る」という「空挺」も、そんな手段のひとつです。
他のどの手段も使えないときには、必要な物を身に着けた隊員がパラシュートで降り立ち、そこから作戦行動を始めます。
この、「パラシュートで目的地へ入る」を専門としているのが、「第1空挺団」です。

「第1」と名前がついているので、「第2空挺団」「第3空挺団」もありそうなものですが、今のところ「第1空挺団」しかありません。
「第1空挺団」は、日本で唯一の空挺部隊なんです。

空挺降下の一大イベント。

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「降下!降下!降下!」
「パラシュートで目的地へ入る」という「空挺」。
このとき、パラシュートで飛行機やヘリコプターから飛び降りることを「降下(こうか)」と呼んでいます。
「降下」を命令するときは、「コース良し、コース良し、用意、用意、用意、降下!降下!降下!」と威勢のいい声を発します。

第1空挺団では、定期的にこの「降下」の訓練「降下訓練」を行っています。
そして、年の始めに行われるのが「降下訓練始め」。
毎年、1月頭に行われるこの「降下訓練始め」が、イベントとして一般公開されています。

「空挺降下」のデモンストレーションは、「富士総合火力演習」や「観閲式」、そして全国各地の駐屯地記念行事などで見ることができるんですが、降下する隊員は数名です。
しかし、「降下訓練始め」は規模が違います。
次から次に隊員が降下を続け、正直「見飽きちゃった」と思うくらいに隊員がわらわらと空から降ってきます。
「コース良し、コース良し、用意、用意、用意、降下!降下!降下!」も実際に聞くことができますよ!

降下だけじゃない!地上での訓練展示も見れちゃいます

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陸上自衛隊HPより)

空挺部隊のお仕事は、「パラシュートで降りたらそれで終わり」ではありません。
パラシュートでの降下は、あくまでも「目的地へ入る」ための手段。
本番は、「降下で目的地に入ったあと」です。

「降下訓練始め」では、この「降下で目的地に入ったあと」の戦闘行動も展示されます。
ここ数年は、「もし日本の離島が攻め込まれて占拠されたら、どうやって奪還するか」という訓練が展示されています。
……が、2017年の「降下訓練始め」では何が行われるのかはまだ明らかにされていません。
どんな訓練が見られるのか……私も2017年1月8日に行く予定ですので、一緒に楽しみにしましょう!

演習場へは公共交通機関で。駅からは歩きましょう

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では、ここで「降下訓練始め」見学の注意点。
会場の習志野演習場はあまり交通の便が良くないので、車で行きたくなります。
が、駐車場は例年、朝早くに埋まってしまうので公共の交通機関を利用しましょう。

習志野演習場へは、JR津田沼駅からバスが出ているのですが、これもやめておいたほうが無難だと思います。
「降下訓練始め」当日は、周辺の道路が朝から大渋滞を起こします。
「時間に余裕を見て朝早く家を出たのに、バスが渋滞に巻き込まれて間に合わなかった」という人、私はこれまでに何人も見てきました。

私の個人的なオススメルートは、
○新京成線・習志野駅
○東葉高速線・北習志野駅
○東葉高速線・船橋日大前駅
のどれかで下車して、徒歩です。
少し距離がありますが、渋滞に巻き込まれず、時間通りに着くにはこれが一番……だと個人的には思います。
私もこのルートで行く予定です!

できる限りの防寒対策で体調管理を!

そして、最大の注意点。
「と~~~~っても寒いです!防寒対策は万全に!」

これまでに見学に行った中で一度だけ、1月とは思えないようなポカポカと晴れた暖かい日があったのですが、それ以外は地獄のような寒さでした。
演習場は吹きっさらしの野っ原なので、風が強いと本当に凍えます。
少しでもいい場所で見学したい方は早めに会場に入ると思いますが、待っている間はただ、ただ、寒さとの戦いです。

ちなみに、開始は11:00ですが、開門は8:30。
例年、たくさんの方が開門と同時に会場入りします。
それだけ長い時間、開始を待つことになりますので、早く行かれる方は特に防寒対策を万全にしてください。
年明け早々、風邪をひいたら大変ですからね。

自衛隊を体感するなら、やっぱりイベント!

さて、今回は趣向を変えて、もうすぐ行われるイベントのご紹介でした。
これからも、陸・海・空のさまざまなイベントの見どころをお伝えしていきたいと思っています。

2017年1月8日(日)の「降下訓練始め」、詳しくは
第1空挺団 イベント情報 をご覧ください!

自衛隊を知るには、やっぱり「自分の目で見て、体感する」ことがいちばんです。
パーティーなどで自衛官といろんなお話をする中でも、いろいろな自衛隊を知ることができると思いますが、ぜひ自衛隊イベントに足を運んで、彼らの「お仕事ぶり」にも触れてみてください。
パーティーでは見られない、お仕事中の自衛官もとってもかっこいいですよ!
習志野駐屯地は、夏祭りもおすすめです!
2016年の夏祭りの様子はこちらからご覧ください!
精強部隊『習志野駐屯地 夏祭り』ツアー
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岡田真理のほじくりコラム(毎週金曜更新) >> こちら

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2016-12-24 | 女子にも分かる自衛隊

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