陸自・海自の自衛隊員もパイロットになれる?それぞれの役割を詳しく解説
自衛隊のパイロットといえば、航空自衛隊のイメージが強いですよね。実は陸上自衛隊や海上自衛隊の中にもパイロットがいることを知っていますか?
今回は、陸上自衛隊と海上自衛隊の役割を解説します。また、パイロットになるための条件も紹介。自衛隊のパイロットについて詳しく知りたい方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
陸上自衛隊のパイロットの役割は?
陸上自衛隊のパイロットは、陸地での作戦において航空支援を行う重要な役割を担っています。主要な任務は兵員や物資の空輸、偵察、災害救援活動など幅広く、多様な場面で活躍するポジションです。
例えば、ヘリコプターを使用して事件が発生した地域への迅速な対応や戦場での支援を行うケースもあります。地上部隊と密接に連携し、任務を遂行するのも役割があるのもポイントです。
陸上自衛隊が操縦する航空機の種類
陸上自衛隊では、主にヘリコプターを操縦します。輸送ヘリコプターや偵察ヘリコプターに加えて、攻撃ヘリコプターを操縦するケースもあります。
輸送ヘリコプターは、人員や物資の迅速な移動を実現。偵察ヘリコプターは情報収集を担い、作戦の成功に必要な情報を地上部隊に提供します。また攻撃ヘリコプターの場合は、戦闘時の地上部隊の支援を行います。陸地で起きた災害や有事の際に、ヘリコプターで出動するのが一般的です。
海上自衛隊のパイロットの役割は?
海上自衛隊のパイロットは、海上を中心とした広域にわたる任務を遂行するため、高度な技術と知識が求められます。海洋や沿岸地域での任務が中心です。主に海上での防衛や警戒活動を行い、対潜哨戒、救難、輸送などの任務に従事します。
国防だけでなく、災害救助の際に出動するケースがあるのも特徴です。また海上での任務を主とするため、気象条件や波浪の影響を考慮した特別な訓練が施されるポジションです。
海上自衛隊が操縦する航空機の種類
海上自衛隊は、多様な種類の航空機を操縦します。最も代表的なのは哨戒機で、海上での監視活動や潜水艦の探知の際に出動します。
また、救難艇や輸送機も重要な役割を果たしており、緊急事態時の人命救助や物資輸送に活躍するのもポイント。ヘリコプターを操縦するケースもあり、広域にわたる海上の作戦や様々な気象条件に対応できるスキルが求められます。
陸自・海自の自衛隊員がパイロットになるには?
陸上自衛隊と海上自衛隊では、パイロットになる方法が異なります。
それぞれの方法をみていきましょう。
陸上自衛隊のパイロットになる方法
陸上自衛隊のパイロットになるためには、「陸曹航空操縦学生制度」への利用が一般的で、選抜試験を通じて参加することが可能です。陸上自衛隊は主にヘリコプターを運用しており、ヘリコプターパイロットになるための訓練を受けます。
厳しい訓練によって技能を習得したのち、指定の飛行機やヘリコプターの操縦ライセンスを取得できます。
海上自衛隊のパイロットになる方法
自衛隊のパイロットになるには、部隊に関わらず「航空学生」と言われる制度を受ける必要があります。航空学生になることで、特別職国家公務員としての地位を得るとともに、パイロットとしての技術を身につけることが可能。高校卒業者や同等以上の学力を持つものであれば、入隊できるのが一般的です。海上自衛隊と共に、航空自衛隊のパイロットを目指す方も集まります。
ただし、入隊したからと言って必ずしもパイロットになれるとは限りません。自衛隊のパイロットになるためには、厳しい選抜試験を通過する必要があります。必要なスキルは航空自衛隊のパイロットと同等であるため、異なる部隊でも高度な操縦スキルを保持していることになります。
防衛大学校からパイロットになる方法もある
海上自衛隊や陸上自衛隊のパイロットを目指す場合、防衛大学校に通うケースもあります。防衛大学校に入学すると、4年間の教育を通じて基礎的な防衛知識や指導者に関する知識を身につけます。
幹部候補生となれば、パイロットへの進路を選択することが可能です。航空関連の専門知識や自衛隊に必要な基礎技能を学びます。
防衛大学校から自衛隊のパイロットになると、優れた学力と高い身体能力が身につくだけでなく、現場を離れたあとのキャリアの幅が広いのも魅力です。
パイロットになる前の飛行訓練の内容って?
基礎教育を終えた後は航空力学や気象学など、具体的な航空機操作に必要な理論的知識を深め、実際の飛行訓練を積みます。飛行訓練は、航空基地にて専用の機材を使用。訓練機での実習を通じて技術を高めます。
海上自衛隊と陸上自衛隊では、使用する機体によって求められる技術が異なるため、それぞれにあわせた専門性の高い訓練を実施。自衛隊のパイロットは訓練を通じて、高い操縦技術と冷静な判断能力を習得します。
自衛隊パイロットになるための条件は?
自衛隊パイロットになるためには、各自衛隊ごとに設定された受験資格と年齢制限をクリアする必要があります。海上自衛隊が航空学生制度を利用する場合、 18歳以上23歳未満が対象です。への参加は、陸曹に昇任して1年を経過した26歳未満の陸上自衛官が参加できます。
試験は、毎年秋ごろに実施されています。試験は年1回なので、計画的に訓練するとよいでしょう。
パイロットに必要な資質はある?
自衛隊のパイロットになるには、視力と健康基準をクリアする必要もあります。パイロットとしての適性を見極めるために、正確な視力が求められるのはもちろん、安全に飛行任務を遂行するために全体的な健康状態も評価されるからです。
特に視力は裸眼でも一定基準を満たすことが求められるものの、必要に応じて矯正した視力も考慮に入れられます。身体検査においては、心臓の健康状態や聴力、血圧など、身体のさまざまなパラメーターが評価対象です。
パイロットになる方は、日常的な健康管理やフィットネスも極めて重要。どちらのパイロットを目指す方も健康基準を理解し、自身の身体状態を常にチェックしておくことが大切です。
自衛隊のパイロットは女性でもなれる?
自衛隊のパイロットは、女性でも目指せます。条件や素質は性別問わず共通で、スキルがあれば自衛隊所属の女性パイロットとして活躍できます。
ジェンダーレスな働き方や多様性の尊重も、女性パイロットが増える背景の一つです。パイロットの夢を持つ場合は、挑戦してみるのもよいかもしれません。
陸自・海自でもパイロットが目指せる!
パイロットは、陸上自衛隊や海上自衛隊でも目指すことができます。それぞれ異なる機体を操縦し、別々の役割を果たします。
また訓練の内容にも違いがあり、操縦する機体に関する高い技術を身につけられるのも魅力です。
さらに自衛隊パイロットは操縦スキルだけでなく、健康や視力が求められるのもポイント。自衛隊のパイロットを目指すなら、訓練の強化と健康維持を目指しましょう。