自衛官と結婚して良かったこと・悪かったこと~⑤番外編
自衛官はニュース速報に敏感?!
自衛官妻さんたちに聞いた、「自衛官と結婚して良かったこと・悪かったこと」。
5回目の今回は、「良い悪いというものではないけど、こんな変化があった」という回答をご紹介します。それは、「テレビのニュース速報に敏感になった」。
ここ最近も台風などの災害が続いていますが、自衛官は災害が起こると災害派遣に出動する可能性があります。
台風や大雨などの、あらかじめある程度予測できるような災害であれば災害派遣の準備もできるのですが、そうはいかない災害もあります。
地震が起きたら、すぐに出勤することも
予測できない災害で最も多いのが地震。最近は緊急地震速報で揺れがくる直前に地震を知ることができるようになりましたが、災害派遣の準備ができるほどではありません。
ですので、地震は起きて初めてその大きさを知り、震度などによっては災害派遣の準備をすることになります。
もし、指定された地域である程度以上の大きな地震が起きると、仕事が終わってからでも、休日でも、すぐに勤務地の駐屯地・基地に駆けつけます。
その影響は、ご主人だけでなく奥様にも
こういった背景から、自衛官はニュース速報にとても敏感です。
中には、国内だけでなく海外の災害に対応する部隊もあり、こういった部隊に勤務している自衛官は国内外のニュースに敏感になります。
そして、ニュース速報に敏感になのは自衛官だけではありません。ご主人が災害派遣となれば、家庭のスケジュールに直結するので、奥様もとても敏感になるそうです。
ご主人が寝てるときに地震発生!
ここで、ある自衛官妻さんのお話。この方は、「ニュース速報はもちろん結婚前から敏感だったけど、結婚してからはものすごく敏感になった。あの音を聞くと体が固まってしまうほど」と言われていました。
こちらの自衛官妻さんご夫婦がまだ新婚さんの頃。緊急地震速報もない時代のことです。
ご主人のお仕事がお休みの日の朝、まだご主人は寝ていたのでテレビの音を消したまま見ていると、ある地域で大地震が起きたというニュース速報が入ったそうです。
この地域は、ご主人の勤務地からそれほど遠くなく、奥様は「ひょっとしたら主人も災害派遣に行くのかも。とりあえず起こさなきゃ」と思ったとのこと。
起こす?起こさない?どっち?
「主人を起こさなきゃ」。奥様はご主人の肩を揺すろうと手を伸ばしました。しかし、どうしても肩に触れられませんでした。
理由は、ご主人がとても疲れていたから。そして、あまりにもぐっすりと寝ていたから。
「きっとすぐに出勤しないといけないはず。だから起こさなければならない」。頭では分かっていても、どうしても起こせませんでした。
そして奥様は「もし出勤しなければならないのなら、電話くらい掛かってくるだろう」と、せめてそれまではゆっくり寝させてあげることにしました。
ご主人を見送ってからの後悔
結局、職場からの電話はすぐに掛かってきて、ご主人は急いで出勤されたそうです。
ご主人を見送って、テレビから流れる報道を見ていると、「やっぱりすぐに起こせば良かった」と後悔したとのこと。
なぜかというと、大きな被害が出ていたから。たくさんの被災者がいたから。あのときすぐに主人を起こしていれば、被災者の方が少しでも助かったかもしれないから。
やがて、ご主人を誇らしく思うように
自衛官妻さんたちに災害派遣のことを聞くと、「最初は正直、行かないで欲しい、家にいて欲しいという気持ちもあったけど、被災地の様子をテレビで見るうちに、被災者のみなさんのお役に立てている主人を誇らしく思うようになった」と言われることがよくあります。
もちろん、全員が同じではないと思いますが、何か別方向からの考え方をすることで、気持ち的に解決できることがあるかもしれません。
「自衛官だから」は関係ない?
今回、自衛官妻さんたちに「自衛官と結婚して良かったこと、悪かったこと」を聞いて一番多かった回答があります。それは「特になし」。
「自衛官だからって特別に感じたことはないかな」「どの職業の人と結婚しても、それぞれ良いこと悪いことはあるし、それは人によるんじゃないかな」というご意見でした。
ご主人である自衛官も、奥様も、性格や考え方、好みは十人十色。先輩自衛官妻さんたちのご意見をご参考にしながらも、みなさんそれぞれの幸せな家庭を作ってください!
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