女子にも分かる自衛隊

自衛官と結婚して良かったこと・悪かったこと~①宴会


実録!自衛官妻たちに聞いた「自衛官との結婚生活」

自衛官との婚活を希望するみなさんは、結婚生活を楽しみにしていたり、逆に不安に思うこともあったりすると思います。実際のところ、自衛官との結婚ってどうなの……? ということで、今回からは、友人・知人の自衛官妻さんたちに聞いた「自衛官と結婚して良かったこと、悪かったこと」をご紹介していきます。今後の婚活に、そして自衛官との結婚生活に、ぜひご参考にしてください。

回答ナンバーワンに輝いたのは「宴会」

自衛官妻のみなさんに、「自衛官と結婚して良かったこと、悪かったことは?」と聞いて、一番多かったのは、「悪かったこと」の、この回答。「宴会が多い」です。
お仕事上仕方がないとはいえ、ご主人が何度も飲みに行ってお金を使い、遅くまで帰ってこない……奥様としては、嬉しいことではないですよね。
最近は、上司が部下を飲みに誘うことが「パワハラ」と問題視される場合もあり、企業などで行われる宴会・飲み会・親睦会は以前より減ってきたかと思います。そしてそれは自衛隊も同じで、各部隊での宴会は以前より減っているように感じます。でもやはり、一般的な企業と比べると、「自衛隊は宴会が多い」のかなーと、個人的に思います。

宴会が多いのは、「自衛官の心がまえ」だから!?

ではそもそも、なぜ「自衛隊は宴会が多い」のか。それは、自衛隊が「団結」を重視する組織だからではないかと思います。
自衛隊には、「しこせきだん」という言葉があります。とってもナゾな言葉ですが、これはある文言の頭文字を並べた言葉です。
昭和36年に制定された「自衛官の心がまえ」という文章があるのですが、この「自衛官の心がまえ」は大きく5つあります。
・使命の自覚
・個人の充実
・責任の遂行
・規律の厳守
・団結の強化
です。
自衛官は、入隊するとこれを叩き込まれます。忘れないように、この5つの頭文字(「使命の自覚」の「し」、「個人の充実」の「こ」というように)を並べた「しこせきだん」という言葉まであり、これは自衛官全員が知っています。
「使命の自覚」「個人の充実」「責任の遂行」「規律の厳守」と並んで、最後に「団結の強化」という言葉がありますね。自衛官にとって、「団結を強化すること」は、「責任を遂行すること」「規律を遵守すること」と同じくらい大事なんです。
自衛隊は個人プレーではなく組織でまとまって任務を行うので、団結しなければお仕事ができません。もし部隊が団結できていなければ隊員の命、そして国民の命にも関わってきますから。

宴会頻度が上がる、転属シーズン

自衛官にとって、ものすごく大事な「団結の強化」。「だからって、飲まなくても団結できるでしょ!」という奥様方のお声が聞こえてきそうなのですが……(笑) 「団結するために宴会をする」という意味合いもあるかと思いますが、それよりも「団結してるから、宴会をする」という感じでしょうか。
特に自衛隊は転属(隊員が別の部隊に移動すること。「転勤」のようなもの)が多いですから、3~4月・7~8月・12~1月の転属シーズンには必ず歓送迎会が開かれます。それも、人によっては「小隊の送別会」「中隊の送別会」「連隊の送別会」といったように、何度も出席しなきゃいけないことも。
「一緒に団結して、災害派遣や訓練をしてきた仲間と離れ離れになってしまう」となれば、やはり宴会を催したくなるものです。一方、人によっては「そこまで行きたいわけじゃない、というか早く家に帰りたい。でも、立場上出席しないわけにはいかない」という宴会もあったりします。

転属だけじゃなく、「プロジェクト」の多さも宴会の一因

自衛隊の宴会は、歓送迎会だけでなく、一仕事終わって「お疲れさま!」な意味を持ったものも多いです。
みなさんが普段、自衛隊の「お仕事をしている場面」を知ることができるのは、報道などで見る災害派遣くらいかもしれません。でも、実は自衛隊は、たくさんの「プロジェクト」を一定期間ごとに積み重ねています。
そのプロジェクトを具体的に書くと難しくなるので、サッカー日本代表に例えてみましょう。私たちが、サッカー日本代表のことを詳しく知ることができるのは、やはり試合のテレビ中継ですよね。あとは、どんな選手が代表入りしたか、といったニュースでしょうか。
でも、日本代表が試合を行うまでには練習があります。その練習も戦術的なもの、技術的なものとあり、それらもミッドフィルダーやディフェンダー、キーパーなどポジションごとに違います。またそれ以前に、監督・コーチ陣はその練習や試合をどう行うのかといった準備をしますし、選手も各自トレーニングを積み重ねています。
自衛隊も同じように、部隊ごとの訓練、いろんな部隊が集まって行う訓練、指揮者(サッカーでいう、監督・コーチ陣のような立場)が集まって行う戦術的な訓練、各自が知識や技能を高めるための教育課程、といったさまざまなプロジェクトがあります。災害派遣や海外派遣も、プロジェクトのひとつ。こういったプロジェクトを積み重ねて、自衛隊は「日本をより確実に守る」を成し遂げています。

溜め込む前に、ご主人に相談しましょう!

実は、いろんな「プロジェクト」がある自衛隊。一般企業でも、プロジェクトが始まるとき、無事終わったときなどに飲み会が開かれますが、自衛隊はその「プロジェクト」の数が多い分、宴会が多くなってしまうのです。
……と、「なぜ自衛隊は宴会が多いのか」を解説しましたが、これで少し心の準備はできたでしょうか?
とはいえ、子育てなどで「今はどうしても旦那に早く帰ってきてもらわないと困る!」というときもあるでしょう。そういうときはぜひ、ご主人に相談してください。部隊も鬼ではありませんがら、家庭の事情を考慮してなんとかしてくれることがほとんどだと思います。

「宴会」と上手く付き合っている奥様方

「自衛官と結婚して悪かったこと」に挙げられる「宴会」。一方で、これを「良かったこと」ととらえている奥様方もいます。
「一番よく食べる人がいないから、子供と簡単にごはんを済ませられて楽」という奥様。「旦那が宴会によく行くから、私も堂々と飲みに行ける!旦那も宴会の多さを自覚してるから、『明日は早く帰って子供たちのごはんお願いね』と言ったら快く聞いてくれる!」という奥様。
また、「旦那が宴会で使ったお金と同じだけ、私も豪華なランチに行ったりエステに行ったりしてる」という奥様も。この奥様は「私が旦那の宴会と同じだけお金を使うようになったら、旦那ががんばって宴会を減らし始めたよ」と笑っていました。
自衛隊に付き物の宴会。みなさんも、結婚後はそのペースにうまく付き合って、ご主人のいない時間を楽しく過ごしてください!

岡田真理のほじくりコラム(毎週金曜更新) >> こちら

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2019-03-27 | 女子にも分かる自衛隊

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