女子にも分かる自衛隊

結婚生活も安心?!自衛官はこんな「家事」を学んでいます


お子さんのリュックや幼稚園グッズを手作り!

先日、自衛官を夫に持つ友人とそのお子さんと食事をしました。お子さんは電車が大好きな男の子で、小さな電車の絵が並んだ生地のリュックサックを背負っていました。
「電車のリュック、かわいいね~。あれ、これひょっとして手作り?」
「そうなんだよ」
「すごい!上手じゃん!売れるよこれ!」
「実はこれね、旦那が作ったんだよ」
「マジで?!さすが!!」
聞けば、お子さんの幼稚園グッズもパパ手作りのものがたくさんあるんだとか。さすが自衛官パパです。

名札や階級章を縫い付けるために学ぶ、裁縫

自衛官は、入隊するとまずお裁縫を学びます。それは、貸与された迷彩服や制服に名札や階級章を縫い付けるため(自衛官候補生の場合、入隊時に階級はないので階級章代わりとなる緑の桜マークのものを付けています)。
入隊時だけでなく、新しい迷彩服や作業服を入手すればそちらにも名札、階級章を付けますし、階級が上がれば階級章が変わるため縫い直します。迷彩服や作業服が少し破れてしまったときも、自分で塗って補修します。

ですので、自衛官は裁縫ができます。もちろん、得手不得手は人それぞれなので、友人のご主人のようにお子さんのリュックや幼稚園グッズを手作りできる人、さらにそれを面倒がらずにやってくれる人となるとある程度限られるとは思いますが……。
(名札や階級章の縫い付けも、駐屯地内にある専門店に「外注」する人もいます)

自衛隊式靴磨き術で、家族の靴も磨いてくれるかも?!

自衛官が入隊して学ぶ「家事」技術といえば、もうひとつ、靴磨き。
>>パンストを欲しがる?! 自衛官の受けがちな誤解
では、「靴磨きのために自衛官はパンストを使う」というお話をご紹介しましたが、自衛官は本当にピッカピカに靴を磨きます。これも、入隊してすぐに指導されるからです。

自衛官の靴のピカピカさ加減は、個人的には職業病のように感じているほどで、スーツで出勤する人は勤務時の短靴(制服着用時に履く靴)や戦闘靴(迷彩服着用時に履く靴)だけでなく、出勤用の革靴もピッカピカに磨いています。
以前、勤務終わりのスーツ姿の自衛官さんたちと私がよくいくお店で飲んだことがあるのですが、翌日お店のママがとても驚いていました。
「私、開店前にはいつも床をぞうきんで拭き掃除するんだけど、男性のお客さんが多かった次の日はぞうきんが真っ黒になるのよ。でも、今日はぞうきんが全然汚れなかったの。自衛隊のみなさんって、靴をきれいに手入れされているのね。素晴らしいわ」

中には、「自分の靴だけじゃなくて、家族の靴もいつも磨いている」という方もいらっしゃいます。家事のうち、靴磨きはパパに担当をお願いしたり、お子さんと一緒に靴磨きをしてもらいながら「自衛隊的靴磨き技術」を教えてもらうのもいい親子のコミュニケーションになるかもしれませんね。

アイロン、洗濯、掃除も自衛官ならカンペキ!

「自衛官が入隊して学ぶ家事技術」には、アイロン掛けもあります。制服や迷彩服はいつもピシっとしていなければならず、また手足の折り目はしっかりとしたプレスが必要です。折り目をしっかりと付けることは本当に厳しく指導され、「指で触ったら切れるくらいにプレスをしろ」という表現は、自衛官なら誰でも一度は聞いたことがあるのではないかと思います。

また、家事の基本である「洗濯」と「掃除」も同様です。なんでも「自分のことは自分で」なので洗濯は当たり前にできますし、掃除は不完全なところがあれば何度でもやり直しを命じられます。入隊すると、「班長」と呼ばれる先輩隊員に訓練や生活の指導を受けるのですが、窓のサッシの隙間に指を滑らせて「まだこんなに汚い!」と指導をする班長は「鬼姑」のようです。
自衛官のご主人に掃除を頼むと、「もうちょっと手を抜いてもいいんだけどな……」と思うくらい細かなところまでピッカピカに磨いてくれるでしょう。

料理の腕は人それぞれ。でもお鍋は得意かも?

家事の基本といえば、料理。結婚すると、ご主人にはなによりこの家事が得意であって欲しいという女性も多いかと思うのですが……残念ながら、料理の得意な自衛官は「隊員食堂や野外炊飯関係の仕事を担当したことがある」、もしくは「個人的な趣味で料理好き」という人くらいかなと思います。

ですが、個人的には「自衛官(特に陸上自衛官)はお鍋は得意」だと感じています。というのも、演習で山に行ったとき、状況終了後(仮想の戦闘の訓練が終わって、あとは片づけなどをやるだけというような場合)に自分たちでお鍋を作って食べることが多いんです。「ザ・男の料理」という感じですが、お鍋を手際よく作る技術には長けている人が多いのではと思います。

お家でもお鍋のときはご主人にお任せしていいかなと思いますし、また「野外での料理の仕方」を熟知しているのでキャンプなどでも大活躍してくれそうです。「ご、豪快だなあ……」と感じるお鍋になるかもしれませんが(笑)

ロープ担当の自衛官なら、娘さんのヘアアレンジもできそう!

そして最後に「実は自衛官は得意であろうと思われる家事」としてぜひご紹介したいのが、「娘さんのヘアアレンジ」です。
こちらは、自衛官の中でもとっても限られるのですが、ロープを扱うお仕事の方。海上自衛官の艦艇で「運用」と呼ばれる勤務に就いている方や、陸上自衛隊の施設部隊などに勤務する方はロープの結び方がとっても上手なのですが、「ロープを結ぶ」だけでなく「編んでロープを作る」ということもやっていたりします。

以前、艦艇の運用員の方に自作のロープを見せて頂いたことがあるのですが、どれもこれも「え?これ売り物じゃなくて作ったの?」と思うような素晴らしい出来でした。用途によって編み方もさまざまで、なんて器用な方々なんだろう、と。
ですので、「ヘアアレンジとか得意そうですよね。娘さんの髪を結んだりしてあげます?」と聞いたら……残念ながら「したことありません」というご回答だったのですが(笑)、でもこんな複雑な物が編めるなら三つ編みなんて軽くできるはず!絶対に上手いはず!!……と個人的には思っています。

「自衛隊は体力仕事」だと思われがちで、その通りではあるんですが、自衛官は実は手先が器用な方が多く、いろんなことができたりします。
ご紹介した家事だけでなく、人によってはいろんな家事が得意だと思いますので、担当してもらったり、教えてもらったりしながら、楽しく毎日を送ってください!

岡田真理のほじくりコラム(毎週金曜更新) >> こちら

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2018-01-31 | 女子にも分かる自衛隊

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