女子にも分かる自衛隊

あなたにも忍び寄る黒い影……自衛官の職業病


自衛官は避けて通れない(?)職業病

自衛官には、いくつか「職業病」といわれているものがあります。これまでにお話した「歩くのが速い」、「特殊な用語を使う」といったことも「職業病」といえるかもしれませんが、今回は本当の「病気」のお話です。
健康は仕事の上でも、そして生きる上でもとても大切なもの。自衛官とお付き合いしたり結婚したりするなら、ぜひ知っておきたい「自衛官ならではの病気」と、その対策をご紹介します。

水虫の原因は、自衛隊の「靴」

pixta_8774910_S
「自衛官の職業病」といえば……真っ先に上げられがちなのが「水虫」です。その理由は、靴。
自衛隊の靴には、いろんな種類があります。例えば、主に陸上自衛官が着用する「戦闘靴(せんとうか)」、飛行機やヘリコプターのクルーが着用する「飛行靴(ひこうか)」、そして制服のときに履く「短靴(たんか)」なんてものもあります。
戦闘靴や飛行靴は、ブーツタイプの靴です。前回の「パンストを欲しがる?! 自衛官の受けがちな誤解」でもお話しましたが、こういった靴は防水性にとっても優れています。防水ばっちりなので、靴の中の湿気は逃げ場がなく、ムレムレです。蒸れは水虫の大好物です。
短靴はいわゆる革靴で、サラリーマンがスーツを着るときに履いているような靴です。女性の場合はパンプスが「短靴」と呼ばれています。こちらはブーツタイプのものほど湿気はこもりませんが、やはりこまめにケアをしないと水虫になりやすくなってしまいます。

靴だけじゃない!「勤務環境」でも水虫の魔の手が……

水虫になりがちな、自衛隊の靴。さらに、勤務環境も水虫を助長します。
例えば、「演習」と呼ばれるような訓練。演習は数日間(場合によっては数週間)に及ぶことがあり、その間一度もお風呂に入れないときもあります。ただでさえ水虫になりやすい靴なのに、長期間不潔な状態……もう、「水虫になるな」というほうがおかしい環境ですよね。
そして、大きな災害が起きてしまったときの「災害派遣」でも同じような環境になりがちです。テレビなんかで、自衛隊が仮設のお風呂を作って……というシーンを見たことがある方も多いかと思いますが、あのお風呂は被災者のためのもの。自衛官はやはり、長期間お風呂に入れなかったりします。津波災害や土砂災害での活動では、いくら防水性に優れたブーツでも靴の中に水や泥が入ってしまいますし、「水虫になりやすい」というより、「水虫にならざるを得ない」といってもいいのかもしれません。

彼や夫から水虫を移されたくなかったら

SAYA151005348707_TP_V
もし、自衛官の彼や夫が水虫になったら。
いくら「水虫はお仕事をがんばっている結果でしょうがないこと」と頭では分かっていても、「嫌だなぁ。移されたら困るなぁ」と思ってしまいますよね。それは感情として当然だと思いますし、もちろん「病気の感染」は防ぐべきことです。
ですので、もし感染が心配だったら「水虫を移されない」ための対策をしましょう。
対策にはこんな方法が効果的……と言いたいところなのですが、私は医療の専門家ではありません。水虫予防の詳細はネットや本で専門家のアドバイスを調べて頂くとして……あくまでも、私の「経験」による水虫対策。参考までにお読みください。

私にも水虫の魔の手が度々襲ってきました。

HOTEL86_datuijyo20150125021400_TP_V
私は陸上自衛隊の予備自衛官をしていて、定期的に訓練を受けています。訓練では戦闘靴が貸し出されて、それを着用します。限りある防衛予算で用意された戦闘靴なので、もちろん新品なんかじゃありません。誰が使ったか、どのくらい使われているのか分からない戦闘靴です。……どう考えても水虫菌がうようよいそうです。
訓練では、駐屯地内にある大浴場を使います。お風呂には足ふきマットが設置されています。清潔には気を遣っているんでしょうが……やはりたくさんの自衛官・予備自衛官が使用する足ふきマット。……どう考えても水虫菌がうようよいそうです。
そしてライターのお仕事でも、自衛隊の訓練の密着取材をすることがあります。密着取材なので、自衛官に同行して私も数日お風呂に入れず、その間ブーツを履きっぱなしのこともあります。……どう考えても水虫菌が大はしゃぎしそうです。
過去の取材では、演習直後の自衛官の集団(どう考えても水虫菌をごっそりと蓄えてそうな状態の集団)と同じ場所に、彼らも私も長時間裸足でいたこともありました。……さすがに「これは私も水虫確定だな」と覚悟しました。
しかし、私は一度も水虫になったことがありません。可能な限り、対策をしているからです。

移る前に、洗いましょう。

FCFG100105109_TP_V
まずは、対策その1……「24時間以内に洗う!!」。
私の調べた範囲では、「もし水虫菌が付着しても、24時間以内に洗えば感染することはない」そうです(正確な情報かどうかは、お手数ですがご自身でも調べてみてください)。
なので、必ず24時間に1回は足を清潔に洗うようにしています。洗える環境になかったら、アルコール系のウェットティッシュで拭き拭きしたり。
……とはいえ、どうしても24時間をはるかに超えてしまうこともあるのですが。でも、「あー疲れた。とりあえず横になって休みたい」というときでも、「いや、その前に!」と清潔にする時間を持つようにしています。
今のところ、24時間を超えてしまっても水虫には感染していません。

移る前に、免疫を高めましょう。

kawamura20160818203014_TP_V
そして、対策その2……「気合いを入れる!!」。
急に非科学的なことを言い始めましてすみません。でもこれ、個人的には結構大事なんじゃないかと思っています。
「水虫になるかもしれない」とビクビクしていると、ストレスになります。ストレスが大きくなると、免疫が低下します。免疫が低下すると、水虫菌に感染しやすくなってしまいます。「だったらビクビクしなきゃいいじゃん!」……と、本当に個人的過ぎる持論なんですが……たぶん、効果はゼロではないと思うんですが……。
私も自衛隊に関わり始めたときは、「水虫になったらどうしよう。というか、絶対なるよなぁ。あー嫌だなぁ」とビクビクしていました。でもビクビクしたってなにも解決しません。だったら「私は大丈夫!!」と気合いを入れた方が免疫も低下しなさそうだし、毎日楽しく過ごせるし……ということで、水虫対策その2は「気合いを入れる!!」。
……参考になりますでしょうか。

最悪、治療すればいいんです!

E146_ishidaiseikou_TP_V
最後に、対策その3……「なったらなったで治療する!!」。
……全然「対策」じゃないですよね。すみません。
これも「気合い」に似ているかもしれませんが、もうなってしまうものはしょうがありません。「そのときは治療すればいいや」と開き直って、あまり神経質にならずに日々を明るく過ごしましょう。ストレスで免疫を低下させるより、明るく楽しく過ごして免疫アップ!
みなさんが暮らしているこの日本は、とっても医療の充実した国です。健康保険制度も充実していますから、治療に大金がかかることもありません。
「水虫になったら病院行けばいいや」と心をどっしり構えていれば、水虫菌さんの方が逃げて行ってくれる……はず?!

彼や夫の仕事を理解して、心をどっしりと!

……と、ここまでを読まれて、自衛官とお付き合いをしたり結婚することに不安を覚えた方もいらっしゃるかもしれません。「そもそも、彼や夫が水虫にならないように気を付けてくれればいいじゃん!」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、彼や夫が水虫にならないに越したことはありませんし、自衛官もできるだけ水虫にならないように気を付けてはいるんですが……やはり、そうはいかないことも多々あります。
大きな災害が起きて、「行方不明者を捜索しなきゃいけない」、「1分でも1秒でも早く救助しなきゃいけない」というときに、「そろそろ24時間経つから」と捜索や救助を中断してお風呂に行くなんてできませんよね。自分の命を掛けて捜索・救助をしている中で、水虫を気にする自衛官はひとりもいません。
日本でテロが起きたときに被害を最小限に抑えて、人々を守る……という訓練を真剣にやっているときに、「そろそろ24時間経つから」と靴を脱いでアルコール消毒なんかしてたら訓練になりませんよね。真剣に訓練をしなければ、いざというときに人々の命を守ることなんかできませんよね。

彼や夫が水虫だったら、彼女さんや奥さんはとっても嫌だと思います。
でも、可能な限りの対策をしたら、
「私が水虫と戦うのも、彼や夫を支えるためのもの。もし私に水虫を移されても、それは被災者や人々の命を守ることにつながってるんだ」
と、考えてみてください。
心を広く、どっしりと構えていたら、意外と移らないもんですよ。水虫って。
(……と、最後も科学的根拠のない持論でまとめます)

画像出典:陸上自衛隊HP
岡田真理のほじくりコラム(毎週金曜更新)>> こちら

♣︎ 自衛隊プレミアムブライダル ♣︎
男性30代自衛隊員中心の結婚相手紹介サービス


2016-09-29 | 女子にも分かる自衛隊

関連記事

ページトップへ